写真で振り返るLL Future

あちこちでいいまとめが出てたり、クオリティ高すぎる動画が全セッションに渡って公開されていたりで、自分のまとめはもういいかな… とか思ってたけど、写真まとめついでに書くよ。

ちなみに、動画は本当に素晴らしいからみんな観ておくといいと思うよ! 正直、ここまで音声が聞きやすいとは思わなかった。coji++

■基調講演

LarryWall

初の生LarryWall、Perl6の自己拡張性について語る。

PerlRubyの素晴らしいところは、牽引力のあるリーダーが明確な信念を持って言語デザインをしているところ。思想やビジョンの軸がブレないのは、本当に素敵だと思うのですよ。その思想に同調した人たちが集まってコミュニティが生まれ、しっかりした土台の上に多様性を持って進化を続けていける。

絶望的な英語力のため、具体的な内容で分からない部分が多かったのは何とも。これだけの人が目の前にいて、語ってくれているのに聞き取れないのが悲しかった。日頃から英語の資料とかちゃんと読めなくて、自分の世界の広がらなさを感じてるけど、この体験は強烈だった。エンジニアとしてこれからの時代を生きて行くには、やっぱり英語は必要だよ。

suzukiさんから帰り道で「PostgreSQLのイベントで同時通訳やったらアンケートに「通訳イラネ」って反応があった」という話を聞いた。通訳を入れると英語で聞ける人には邪魔なだけだし、話す側もテンポは崩れるわ、通訳ばっかで自分のトーク聞かない奴が続出するわで弊害が大きいでしょうね。

( ´・ω・`) < iKnow!やらなきゃ


■LL で未来を発明する

LLで未来を発明する

「100年後の言語を考える」というテーマはやはり難しかったようで… こういうテーマを語るなら、実際に現場でガリガリ書いてるようなエンジニアとは別の人種を持ってきた方がいいのかも知れない。とはいえ、ただの妄想を垂れ流されても困るのでさじ加減は難しいですね。

スタートレック的な「コンピュータ、○○してくれ」みたいな世界になるのか、なんて話もちらっと出たけど、そっち方面で行くと

  • 入力デバイスとして音声という選択は適切なのか
  • 実際のところAIってどうなってるの? この先どうなの?
  • 人間型コンピュータはありなのか

みたいな話になりそう。それはそれで聞いてみたいけど、LLイベントでやる内容では無くなってくるよね…

パネリストの中では研究者という立ち位置の住井さんの話が特に面白かった。かつては「Computer(計算者)」というのが人間の職業だったなんてトリビアや、プログラムを数学的表現で一般化するアプローチなど「これぞ理系」という内容が目白押しで大変に興味深かったです。自分がエンジニアとしていかにインチキな人間かということも強く再認識。

Larryを始め壇上でも出ていたし、質疑応答で吉岡さんも強調されていたように「コミュニティ主導の言語開発」というのは近年の大きな特徴だし、未来の言語は必ずそうなっていると自分も思う。言語は会議室で生まれてるんじゃない!


■サイコー!?フレームワーク

使える写真が無かったorz

「俺のフレームワークはこんなことできるんだぜ」的なセッションではなく、フレームワークで構築したシステムの長期運用やそれに伴う教育などの話がメインになった印象。

そういう面から見ると、MobaSiFの「既存プロジェクトから丸ごとコピって、あとは勝手にやっとけや」という(一般公開より前の段階での)アプローチは明らかにこの文脈では不利なので、そのへんはちょっと気の毒だったかも。一般的なWAFとしてパッケージングして外部に出したのが最近のことなので、がんばって欲しいところ。僕はダウンロードしただけで中身全く見てません。ごめんなさい。

このセッションはひがさんトークに注目。自分みたいに一人で好き勝手やってるとスルーしがちな「WAF習得の教育コストを意識すべき」とか「Seasar2は機能追加より枯れさせることを意識している」といった内容は、SI案件にWAFを使う場合のリアルな問題を改めて考えさせられた。

それにしても、Seasar2の商用サポート7年ってのは凄い。会場では「Java嫌いな人〜」という質問にかなりの手が上がっていたけど、これを掲げられるのはやはりJavaという土台あってのものでしょう。僕はJava全く知らないので、言語の実際のところは分からないけど。

自分の場合はむしろそんなに長く使わないことを前提として、よく言えばRapid、まぁぶっちゃけ適当な開発をしてしまいがちなので反省する部分もあり。規模が小さいから「数年で一から作り直す」を前提にしても回るけど、そうじゃない世界は大変ですよね。

あとはRailsの暗黒面の話。「実際のところ書籍の情報は古くて使えない部分も多い」というのがこの場で語られたことは重要だと思う。Railsの登場は確かに計り知れないインパクトを与えたけど、どんどん変わりまくって一向に枯れる見込みがない(ように聞こえた)のは仕事で使う人は「Railsどうなの」と感じたんじゃないだろうか。

個人的には「自分で何とかするより、直るのを待ってる方が早い」という触れ込みはよろしくなかったと思う。開発コミュニティの活発さをアピールしたかったんだろうけど、言葉がよくなかった。

Catalystな人が壇上にいなかったのが残念。


■LL でアート

action coding
action coding posted by (C)ねこや

今回随一の異色セッション。作品よりも何よりも、写真のActionCodingのデモが印象的だった。コード変えたらすぐに画面のオブジェクトの挙動が変わるのがかっちょええ。Flashのプレビューよりも遙かにインタラクティブな感じで、とにかく見栄えがよかった。

こういう「単純にかっこいい」って個人的には凄く大切なことだと思ってます。初めて見た人に夢を与えるのも大切なことですよ、絶対。

セッション中に「アートとは問題提起である」という一節があって、それがもの凄く印象に残りました。僕はデザインは問題解決の手段だと考えているので、

  • アート = 問題提起
  • デザイン = 問題解決

という図が頭の中で綺麗にできあがった。今までアートって遠い世界のもののように捉えてたけど、これで概念がつかめた気がする。


■キミならどう書く? - LL Golf

変態2

1byteを削る戦いの記録。セッションの内容的にはそれほど興味のある分野ではなかったけど、トークが軽妙だったこともあってのめり込めた。特にyuguiさんのガンガン攻め込んでバツッと落とすスピード感は圧巻。

自分はいつも愚直に書くばかりで、最適なアルゴリズムを考えるとか軽視しがちなので反省。実際の仕事では「愚直に書かないと読めない人が出る」とか「いきなり仕様が変わって変なケースに対応するハメになった」なんてことがあるから、愚直コーディングで結果オーライな場面が多い印象があるけど、それが考えるをサボる理由にはならないもんね。


■古い言語、新しい言語

15〜16歳(3〜4年前)でASコンパイラをASで実装したbeinteractive先生の変態っぷりが光るセッション。彼のような若い人に会うといつも「若い若い」ばっかり言ってしまって申し訳ないんだけど、その領域までたどり着けないまま年を重ねてしまった自分には眩しくて仕方ないのですよ。

LLVMとかJavaScript上で他の言語を動かすとか、ここにも仮想化の波が押し寄せてきてるのが象徴的でした。それも、高級言語の上で別の高級言語が動くというのは、いつまで経っても衝撃的。個別のネタとして特に興味深かったのは、yukobaさんのHotRubyでRubyからBox2DFlashAS3を呼び出してた奴。はてダがプライベートモードになってるのが惜しすぎる…

TAKESAKOさんの「Web2.0時代のマシン語 = ECMAScript」というまとめはちょっと強引な気がした。マシンのアーキテクチャに縛られずどこでも動く、という特性はそれこそ高級言語なんじゃないかと。初期のC言語の大きなウリが「CPUとかアーキテクチャが違うマシンへの移植性の高さ」だったわけだし。そこに至る自分の把握してない文脈があるのかな。


■ライトニング・トーク

Grassも面白かったけど、何と言っても「Ruby on Railsで実現する自走式Webサーバー」が圧巻。写真ちゃんと獲れなかったよ!

やっぱりネタ系LTの盛り上がりはいいよね。個別のLTのコメントはそろそろ疲れてきたので省略w


■抽選会

LarryWall直筆プログラミングPerl進呈

スタッフのボール投げによる抽選会。スペシャルボールは何とLarryWall直筆サイン入り「プログラミングPerl」。そして、そのボールを手にしたのは何とPHPer!

この日、「PHP」という単語が聞かれることは数回しかなく、「皆大好きPHP(笑)」とか「朝起きて思いついたまま関数名付けましたみたいな言語」とかそういう扱いしかされてなかったところにこのオチは面白かった。いや、受け取った人知らないんですけど、気分害したらごめんなさい。

つーか、PHPのアウェイ感は異常。分かって苦言を呈してる人はいいんだけど、もはや「PHP(笑)」という扱いが一人歩きしておかしなことになってる気がしてならない。これって凄く不幸なことだと思うんだけど、もうここまで来たらどうにもならないだろうな。

根本的な問題はPHPの開発に携わってる人たちが、こういうLLコミュニティと違う世界にいることだと思うんだけど、このへんどうなんすかね。こういう場での扱われ方やら、こういう場に来るPHPerの望んでることが伝わってるように思えない。

それはさておき、
プログラミングRubyもらった
こちら頂きました。これってRubyフラグ?

最後に、まとめて写真貼っときますね。今のフォト蔵アップローダーは便利だと改めて思った。

D70持って行くのは重いなぁとか思ってコンデジだけ持って撮影してたんだけど、ピント外れや手ブレで使えない写真の山に絶望した>< カメラの液晶で確認しても分からないからなおさらタチが悪い。一眼持ってる奴は大人しく角ゴを決めて装備整えて行くべき。

では、また来年。この同じ中野ZEROで。