PXEbootで古いDynabookにCentOSをインストール
我が家には5年前のノートPC、Dynabook SS2000 が転がっています。かつては薄くて軽いB5モバイルとして活躍してくれましたが、今やACアダプタが無いと動かない、モバイルとしては全く使えない物になってしまいました。CD-ROMなどの光学ドライブは搭載しておらず、USB接続のCD-ROMなどを持ってきてもBIOSが対応していないので起動しません。もうプリインストールのWin2kと心中するしかないのか… と思いつつ押入の肥やしになっていたのですが、「ネットワークブートでLinux入れればぉk」ということに気付いたので実践してみました。いや、実際は今までよく分かってなくて何となくスルーしてたんですけどね。
PXEboot用のサーバ準備
まず、PXEbootするためのサーバを準備します。PXEでネットワークブートするためには、DHCPとTFTPサーバが必要です。Windowsでも立てられるのかも知れないけど、ほとんど情報がないのと、Linuxでサーバ持ってるんだからWindowsの情報を漁るのもダルいので無視。サーバのOSはCentOS4.4です。ディレクトリ名などはパッケージのバージョンに応じて適宜。
まずはブート用のイメージを準備します。/tftpbootを作っておいて、そこにイメージを準備します。
cd /tftpboot cp /usr/lib/syslinux/syslinux.0 syslinux.bin wget http://ftp.riken.jp/Linux/centos/5.0/os/i386/images/pxeboot/initrd.img wget http://ftp.riken.jp/Linux/centos/5.0/os/i386/images/pxeboot/vmlinuz
こんな感じ。syslinux.0の名前は別にそのままでもいいんだけど、導入の参考にしたサイトとかでそうしてたりしたので、何となく踏襲です。イメージのダウンロード先は別のミラーでもいいし、64bit版なら違うディレクトリからどうぞ。
イメージを準備したら、次はサーバの設定です。
yum install -y dhcp tftp-server
必要なパッケージはこれでインストール完了。他にもsyslinux, xinetdが必要ですが、syslinuxは最初から入ってるし、xinetdはtftp-serverを入れたら一緒に入るので無問題。
まずはdhcpdの設定から。
cp /usr/share/doc/dhcp-3.0.1/dhcpd.conf.sample /etc/dhcpd.conf
みたいにコピーしてから、/etc/dhcpd.confを編集。IPの設定は自分の環境に合わせて、PXEboot用の設定として、「filename "pxelinux.bin";」の一行を追加します。ウチの環境では、こんな感じになりました。
ddns-update-style interim; ignore client-updates; subnet 192.168.0.0 netmask 255.255.255.0 { option routers 192.168.0.1; option subnet-mask 255.255.255.0; option domain-name "dev.local"; option domain-name-servers 192.168.0.1; option time-offset -18000; # Eastern Standard Time range dynamic-bootp 192.168.0.80 192.168.0.99; default-lease-time 21600; max-lease-time 43200; filename "pxelinux.bin"; }
次に、tftpサーバの設定です。/etc/xinetd.d/tftpをエディタで開き、「disable = yes」となっている行を「disable = no」に変更します。そして、
/etc/init.d/dhcpd start /etc/init.d/xinetd restart
として、dhcpdの起動とxinetdの再起動を実行します。これで準備は整いました。
ルータでもDHCPを提供しており、競合が気になりますが、ひとまずそのまま進めることにします。
Dynabook SS2000にインストール
さて、いよいよインストールです。こちらが今回の主役、Dynabook君。
電源を入れて、ブートプロセスが始まる前に [F12] を押して起動方法を選択します。右から2つ目のネットワークブートを選択。
すると、DHCPからIPを取得、TFTPでブートイメージを取得して起動してくれます。ルータのDHCPが優先されるかと思ったのですが、希望通りにPXEサーバからIPを引いてくれました。条件は分かりませんが、ルータのDHCPを停止しないとダメな場合もあるかも知れません。
インストーラはテキストモードで立ち上がります。今回はHTTP経由でインストールしましたが、NFSイメージからインストールも試してみたいですね。@ITの記事では、ミラーを選択したらGUIのインストーラになると書いてましたが、結局最後までテキストモードでした。VGAとかの関係でしょうか。